2010年7月21日水曜日

第2次4大河川日韓市民視察団、成功裏に終わる!

7月9日から11日までの3日間、韓国4大河川事業(ナクトンガン)視察団に参加された皆さん、本当にお疲れ様でした。


今回も事前の準備、参加者とのメールや電話での打ち合わせ、入国・出国時の案内でどたばたし、視察団が始まればツアコン&通訳と、さすがに今回は終わってからちょっとバテました。

さて、今回の視察団も2回目とあって韓国のマスコミでも、かなり大きく取り上げられました。とりあえず、題名とリンク先をお知らせします。写真なども載っていますので、雰囲気は分ると思います。翻訳のほうは急いでやりますので、しばらくお待ちください。

1 日환경전문가들 "4대강사업 충격적. 국제 NGO가 막겠다"  10월 나고야 총회에서 4대강사업 공론화 천명
  日環境専門家「4大河川事業 衝撃的、国際NGOが阻止する」  10月 名古屋総会で4大河川事業を公論化へ

ビューズ&ニューズ(7月11日)  


2 “4대강 사업, 운하 만들려는것”  일본 하천전문가들 현장조사 “공사 중단하고 재논의해야”
  「4大河川事業、運河を造ろうとするものだ」 日本の河川専門家たち現場調査 「工事を中断して再度論議をすべき」 

ハンギョレ新聞(7月9日)

   
3 "MB 전세계인들에게 습지보호 약속해놓고 '충격적 파괴' 4대강사업은 '운하'만들 의도"
  「イミョンバク 全世界へ湿地保護を約束しておいて、’衝撃的な破壊’ 4大河川事業は"運河"を造る意図」 

オーマイニュース(7月10日)


4 한일습지전문가 "4대강사업은 람사르협약 위배"
  日韓湿地専門家「4大河川事業はラムサール条約に違反」

オーマイニュース(7月11日)オーマイニュース(7月11日)


5 日 하천 전문가 "4대강 사업은 람사르 협약에 대한 도전"  낙동강 현장 조사…"한국 정부, 습지 보호 약속해 놓고 충격적 파괴"
 日本の河川専門家「4大河川事業 ラムサール条約に対する挑戦」 ナクトンガン現地調査「韓国政府、湿地保護を約束しておきながら衝撃的な破壊

プレスイアン(7月11日)プレスイアン(7月11日)


とくに3のオーマイニュースは、7000名以上の読者が「そう思う」とチェックを入れています。とりわけ京都大学名誉教授の今本先生のコメントは衝撃的だったそうです。
また、なぜか中央日報の日本語版にも関連記事が載っています。

中央日報日本語版(7月9日)



早めに写真などを整理してアップしますので、お待ちください。

2010年6月1日火曜日

第2回視察団、ナクトンガンに行きます!

 いま、韓国は地方選挙の真っ最中。争点のひとつには四大河川整備事業があります。

 最近になって、マスコミでも四大河川整備事業の問題点を少しずつ取り上げるようになっています。昨日のニュースでも、浚渫して掘り起こした砂利や泥をそのまま野積みにしている問題が報道されました。高さ10メートル以上にもなった砂利や泥は、埃や異臭などの大きな被害を周辺にもたらしています。

 7月8日から第2回の日韓市民視察団を行います。今度は、四大河川事業のなかで最も大規模な工事を行っているナクトンガンを視察します。呼びかけ文がありますので、ぜひご覧ください。そして、一人でも多くの方が参加されることをお願いします。

2010年4月19日月曜日

2月28日 4大河川視察団 第三日目 その3


◎ハフェ村から数キロはなれたクアムの工事現場


◎クアムの工事現場を眺める視察団のメンバー


◎サンジュ堰の建設予定地



◎クミ堰の工事現場


 28日の午後はナクトンガンの中流の工事現場へ行きました。
ハフェ村から下流に数キロ離れたクアムというところで関連事業の工事が行われていました。4大河川事業ではナクトンガンに8つの堰(ダム)を作るといっていますが、8つのダム以外にも関連事業がいろいろ行なわれています。クアムの工事もそのひとつです。 本来、ハフェ村のすぐ下に小さな堰を作って水深を深くして遊覧船を浮かべる計画があったそうですが、そのような工事をするとハフェ村の美しい砂がなくなってしまうので、いちおう中止にしたそうです。
 このあとサンジュ堰(ダム)とクミ堰(ダム)の2箇所を訪問しました。これらの工事現場を見て、怒りと同時に悲しくなってきました。午前中のハフェ村周辺の美しい自然とは対照的に、自然を思いのままにコントロールできるのだという人間の思い上がった考えが、4大河川事業にあります。
 やはり、この整備事業は根本的に間違っています。これだけの大規模工事をこのような急ピッチで行っていいのでしょうか? また、本来の法体系を無視している部分がたくさんあるにもかかわらず、工事はどんどん進行しています。
 いったい韓国はどうなるのか、ほんとうに心配です。日本でも韓国の4大河川事業にたいして関心が高まることを願っています。大型の公共工事による経済成長や自然の破壊という世の中のあり方を変える時代になってきました。ぜひ、みなさんのお考えをお聞かせください。

2月28日 4大河川視察団 第三日目 その2
















◎ピョンサン湿地を行く巡礼団の人たち






 








◎ピョンサン書院の前で挨拶をするチユルさん










 ナクトンガンでは、尼僧のチユルさんや地元の人たちが中心になって、毎週週末に1泊2日の日程で川に沿って巡礼をしています。僕たちの視察団はこの巡礼団と合流して、ハフェ村からピョンサン書院まで一緒に歩きました。
 チユルさんは韓国の宗教人の中でも環境問題にとても関心のある人で、以前環境への被害を抑えるために断食をして高速鉄道のコースを変更させたこともあります。物静かに話をされましたが、今回の4大河川事業で川が殺されていくことに強い憤りを感じているのがわかりました。
 このナクトンガンの巡礼団のように、いまカトリック、プロテスタント、仏教徒など宗教者が4大河川事業に反対の声を上げています。

2月28日 4大河川視察団 第三日目 その1


●案内をしてくれたチュ・ヨンギさん。(左)彼はセマングムという韓国で一番大きな干拓事業の反対運動を10年以上続けています。右はSBSのパク記者。環境問題にとても詳しい方です。





●ハフェ村にある伝統的な民家。村の人たちは観光資源ということで4大河川事業になかなか反対できないそうです。







 
●フェ村からピョンサン書院への途中、川の中州がすばらしい湿地を作っています。
ここがピョンサン湿地です。
 
 
 4大河川視察団の三日目、28日の日曜日は朝早くからの行動です。7時に巡礼団が泊まっている学校に行き、かぼちゃのお粥で簡単に朝ごはんを済ませてから芙蓉台~ナクトンガンの渡し~ハフェ村~ピョンサン湿地~ピョンサン書院と歩いて周りました。ハフェ村からピョンサン湿地へ行く道は散歩道としてはなかなかいいですね。観光客も来ないし、静かに自然を楽しめます。
 ハフェ村には3回ほど来ましたが、ピョンサン湿地は初めてです。あまり訪れる人もいない静かなところです。ハフェ村の下流にダムが出来ると水位が上がり、またこの湿地もなくなってしまいます。この湿地には、韓国語でコラニという鹿の一種がいます。足跡もたくさん見つけましたし、糞も見つかりました。こんなに素晴らしい湿地を無くしてまでダムを造って水位を上がる方法があるのでしょうか。

2010年4月13日火曜日

2月27日 4大河川視察団 第二日目 その3



 パルダンの次はヨジュ。ここでは、イポ堰、ヨジュ堰、カンチョン堰という3つのダムが造られます。ダムの工事がすでに始まり、コンクリートを流して基礎工事を行っています。こんなに急ピッチで進めるのは、大統領の任期中に何箇所かを仕上げるためだそうです。めちゃくちゃな突貫工事のため、まだダムの具体的な設計が終ってなく、模型を使った実験を今やっているという新聞報道がありました。 とにかく、規模の大きさと工事の早さに、参加された視察団の皆さん、かなりのショックを受けていました。

 上の写真は、ヨジュに作られる3つの堰(ダム)の一つ、イポ堰。すでにコンクリートを流し込んで、ダムの基礎工事を行っています。
 
 下の写真はカンチョン堰の工事現場。手にしている写真は昨年の秋に撮ったもの。4大河川事業で、どれだけ自然が破壊されているか、一目瞭然です。





 

2月27日 4大河川視察団 第二日目 その2


 北ハンガンを挟んで、パルダン生協のあるチョアン面ミョン(南楊州市)の向かい側にトゥムルモリという場所があります。二つ(トゥ)の水(ムル)の端(モリ)という意味で、ここで北ハンガンと南ハンガンが合流するところで、ヤンスリ(両水里)という漢字語の地名も使われています。ここはハンガン流域で有機農業が始まった発祥のところ。いま4大河川事業に反対して、ソウル近郊の神父が交代で泊り込みをしています。車を降りるとイチゴの体験農場の看板が目に入りました。その日も子供を連れた家族づれが団体で訪れていました。このような農業体験で年間、12万人もの人がパルダン地域を訪れるそうです。
 写真は泊り込みをしているスウォン教区のチェ・ジェチョル神父。一緒に話をしているのがセマンクム干拓事業に反対しているチュ・ヨンギさん、今回の視察団でも大活躍をしてくれました。

2月27日 4大河川視察団 第二日目 その1


 4大河川視察団の二日目の27日は、まずハンガン流域のパルダン地区に行き、30年以上も有機農業をしてきた農地を体育施設やサイクリングロードにするという現場に行ってきました。私たちの行く2~3日前には、強制的に測量が行われその過程で11名の農家や生協メンバーが警察に連行されるという事態までおきています。

 この地域は1973年のパルダンダムの建設で、ダム湖がソウル市民の水道用に使われることになって、農薬などが使えなくなり、多く農家が土地を離れてしまったそうです。その後、有機農業を始め、今では韓国有数の有機農業地帯として発展しました。

 6代続けてここで農業をしているチョンジョンスさんが、パルダン生協の建物の屋上から今までの経緯について、分かりやすく、そして熱のこもった説明をしてくれました。ここは地下水が暖かくて、その水を使って暖房施設なしで冬でもハウス栽培ができるそうです。この周辺では生産者組合を作って、お互いに助け合いながら農作業をしています。代わりの土地を用意するからと言われても、簡単に引っ越すことなど出来ないと説明をされました。








2010年3月9日火曜日

2月26日 4大河川視察団 第一日目

 初日の計画は2つ。ひとつは、ソウル市の南にある果川政府庁舎にある「4大河川事業推進本部」を訪問して、事業の内容や環境への影響などについて説明を聞くこと。ふたつめは環境運動連合の事務所でこれからの訪問先や日程について説明を聞く事でした。


 結論から言うと「4大河川事業推進本部」の担当者には会えませんでした。面談の申し入れをした環境運動連合(KFEM)のマ・ヨンウンさんによると、これほどまで頑なに面談を拒むということはなかったそうです。会いたくない、あるいは反対する人達は無視するという態度のように思われました。


 時間が余ったのでチョンゲ川を散策しました。この川を「作った」のはイ・ミョンバクですね。当時、ソウル市長でした。これに味を占めて、大運河構想、そしてその後の4大河川事業に発展したわけです。都会の真ん中での河川の再生というレベルでは評価できる部分もあります。でも、流れている水は自然の水ではありません。ポンプアップしている水なので、いわばディズニーランドのアトラクションにある川と同じです。その点は見逃してはいけないと思います。


 夜は、環境運動連合の近くで夕食を食べながら、4大河川事業に反対している方々と会いました。

 まず、関東大学で土木工学を教えているパク・チャングンさん。この方は(社)市民環境研究所の所長でもあり、この4大河川事業の怪しさと危なさを説明してくれました。一言で、あまりの突貫工事で報告書を作ったため内容がなく、お互いに矛盾しているところばかりということです。

 つぎに水原大学で都市計画を教えているイ・ウォンヨンさん。この方は「運河反対全国教授の会」の中心メンバーで、4大河川事業は環境破壊であると同時に民主主義破壊だと強調しました。このことはその後現場をみて、本当だなと実感しました。

 そして、弁護士のチョン・ナムスンさん。今工事差し止めの裁判を、それぞれの川ごとに国民訴訟を行っているそうです。今回の4大河川事業は、法体系そのものを無視して、どんどん例外規定を作ってそのなかを強行しているそうです。


 その後、環境運動連合の事務所に行き、スケジュールの打ち合わせをしてから、ホテルに戻りました。さあ、視察団が始まりました。

 

 



韓国4大河川日韓市民視察団 呼びかけ文

韓国4大河川整備事業  日韓市民視察団、参加者募集!


日程:2010年2月26日(金)~3月1日(月) 4日間   


 いま韓国では「4大河川再生整備事業」という名称の一大プロジェクトが進行しています。


 ソウルのシンボルとも言える漢江(ハンガン)、公州や扶余を流れる錦江(クムガン)、全羅南道を縦断して木浦に至る栄山江(ヨンサンガン)、慶尚道を縦断する一番長い洛東江(ナクトンガン)で大規模な土木工事が行われています。5.7億㎡の川底を浚渫、16箇所で固定堰(ダム)、6箇所で調整池やダムを建設し、377㎞の堤防を整備、総額22兆ウォン(約1兆8000億円)以上という大型公共事業です。洪水を防ぎ、水資源を確保し、生態系を復元するという目的で行われ、李明博(イ・ミョンバク)政府の掲げる「グリーン・ニューディール」の目玉とも言えます。 

 しかし、昨年の11月の調査では即時中断が30.1%、計画縮小が36.2%と反対の声が多数となっています。特に工事によって渡り鳥の餌場として重要な河川付近の湿地や水溜りなどが破壊される恐れがあり、ダムの建設により水を溜めるために水質悪化が懸念されています。また、環境アセスの期間がわずか4ヶ月ほどで、去年の11月から本格的な工事を始め、今年の5月までに全体の60%を終了させるという急ピッチなやり方にも不安の声が上がっています。 

 このような無謀な公共事業に対して、日本と韓国の市民が協力して調査を行い、事業の問題点を明らかにしていこうと、日韓市民視察団を結成することになりました。韓国におけるこの事業の影響は日本を含む東アジア全体の環境問題であり、決して他人事ではありません。私たち「韓国4大河川 日韓市民視察団」は、市民の立場からこの事業を厳しくチェックし、韓国政府に対して声を上げていきたいと考えています。 視察を力強く成功させるためには、湿地関係者のみならずダム問題NGOをはじめ各方面の研究者、法律家など幅広い参加が必要です。 


 来る2月26日(金)~3月1日(月)に行われる「日韓市民視察団」にぜひ参加してください。 

<呼びかけ団体> ラムサール・ネットワーク日本  

【日程と訪問先】★現地集合解散となります。行き・帰りの航空便は各自で手配してください。

<2月26日(金)>大韓航空またはアシアナ航空で韓国金浦空港へ 

・羽田発の場合

*行き/2月26日  大韓航空2710便 羽田19:35 金浦21:50着

          アシアナ1035便  羽田20:05発 金浦22:25着  

※羽田空港以外から出発される方はお問い合わせ下さい。到着後、各自ホテルへ

# 宿泊 / 南営洞(ナミョンドン) レインボーホテル 02-792-9993 

《先発隊》26日の午後、4大河川事業推進本部と面談の予定です。また夕方より視察団の実務者会議を予定しています。参考:先発隊にも同行される方は、以下の便があります。 

NH1291便 羽田8:20発→金浦10:45着  この場合、帰りも   NH1294便 金浦発19:40発→羽田発21:45着 となります。


<2月27日(土)>

8時        ホテルで朝食の後、南ハンガン(漢江上流)・パルダン湖へ移動

9時30分~11時 パルダン湖周辺調査/地元有機農業農家との懇談

12時 ~ 13時 昼食(ヨジュ付近) 

13時30分~15時30分 ヨジュ堰、カンチョン堰の現場視察

15時30分~17時30分 慶尚北道、ヨンジュへ

18時 ~ 19時 夕食

19時 ~ 21時 ヨンジュダム 被害住民との懇談会

# 宿泊  ヨンジュ市内 場所未定


<2月28日(日)>

8時        朝食の後、洛東江上流ヨンジュダム建設予定地へ移動

9時  ~ 10時 ヨンジュダム建設予定地現地視察

11時 ~ 12時 フェリョンポ周辺視察、近くで昼食

13時       亀尾(クミ)へ出発

14時 ~ 16時 クミ~テグの間で現地視察。工事の進展状況で視察場所を決定。

16時 ~ 18時 大田(テジョン)へ移動

18時       夕食

19時 ~ 21時 錦江(クムガン)流域の環境団体との懇談会(テジョン)

#宿泊 テジョン、またはユソン温泉エリア、場所未定


<3月1日(月)>

7時30分     朝食後、錦江流域に移動 

9時  ~ 11時 フヨ堰、クムナム堰、現地視察

11時 ~ 14時 金浦空港へ移動(途中の休憩所で昼食)

14時 ~ 14時30分 金浦空港到着、解散式のあと日本からの参加者は帰国の途へ

・羽田着の場合

*帰り/3月1日 大韓航空2709便 金浦15:50発 羽田17:55着

        アシアナ1045便 金浦16:45発 羽田18:45着

以上の日程は現時状況により変更になる場合があります。変更の場合はその都度お知らせします。

2010年3月7日日曜日

韓国4大河川日韓市民視察団に参加された皆さんです。3泊4日の短い旅でしたが、本当に中身の濃いものになりました

韓国4大河川日韓市民視察団の記録 5 (韓国雑記帳より)

 先週の金曜日は視察団に参加される方々が金浦空港や仁川空港に到着した日でした。東京、名古屋、大阪(兵庫と京都)、九州と日本の各地から環境保全の問題に係っている専門家!が11名も集まりました。 大学教授が3名(現役1名、名誉教授1名、元教授1名)、弁護士が3名、環境運動の専門家が2名、地域の自然保護団体の代表が2名。専門別に見ても、法律、土木、生物と多岐にわたっていました。いやあ、これだけのメンバーが揃うとは、思ってもいませんでした。 

 27日の視察は安東泊です。ここで、ナクトンガンの地域で反対運動をしている人たちと合流して、レクチャーを受けました。通訳のしすぎで、どの人が何を言ったのか、ごちゃごちゃになってしまいました。覚えているのは、ナクトンガンの特徴です。 

 地図があれば見てください(僕が地図をアップすれば言いのですが…) ナクトンガンの中流に、クミ(亀尾)という都市があります。そのちょっと南はテグです。この2つの都市を過ぎると、ナクトンガンの様子はガラリと変わります。ここより上流は大きな工場地帯がないので河はあまり汚れていないそうです。 ところが、大きな工場地帯のあるクミとテグを過ぎると河は汚れだすそうです。以前、フェノールという有毒物資が垂れ流しになったことがあるそうです。この中流から下流にかけて堰、といっても高さ10メートル、幅が300~400メートルもあるのですからダムですね、ダムを5つ作ります。そのうえ、捨て場所も確保しないまま、重金属で汚れた川底を浚渫するのですから、怖い話です。まあ、こんなところは覚えています。 

 レクチャーが終ったころに、巡礼団の人たちが部屋の中に入ってきました。毎週、土曜日日曜日の1泊2日の日程で、チユルさんという尼さんが中心になって、ナクトンガンの河沿いに歩く人たちです。土曜日の10時にサンジュというところを出発、この日はバスでナクトンガンの美しい景色を目に刻みながらアンドンまでやってきます。

 次の日曜日は徒歩で、ハフェ村、ピョンサン湿地、ピョンサン書院、マエ湿地などのナクトンガンの史跡や豊かな自然を楽しみます。 4大河川事業でダムが出来ると水位が上昇し、これらの湿地や中洲はなくなってしまいます。その上水がせき止められるので、水質は悪くなってしまいます。洪水対策という名目もありますが、もともと水を貯めておく堰(ダム)ですから、万が一の大雨のときに、水を臨時に貯める余裕はなく、むしろ堰が決壊したら大災害になってしまいます。本当に何のための工事なのか、全くわけがわかりません。

 話は全くちがいますが、今回の視察旅行、食事は本当にシンプルでしたね。肉を食べたのは初日のサンギョプサルだけ。あとはキムチやナムルのおかずにスープとご飯という庶民的なもの。でも、美味しかったと好評でした。もちろん、夜は宿でマッコリをたくさん飲んで、いろいろ話したのもとてもよかったですね。 ということで、アンドンで食べた晩御飯の写真です。この後、ビビンバにして食べましたが、ここのテンジャンやナムル、美味しかったですね。